こんにちは。税理士の 清水です。
「売上を2倍にするのも大変なのに、10倍なんて無理だ」と感じる方が多いかもしれません。
しかし実は、『2倍より10倍の方が簡単』 という考え方があります。
これは単なるスローガンではなく、経営の本質を突いた発想なのです。
「売上を2倍にしよう」と考えると、多くの経営者はこう動きます。
つまり、今のやり方を少し改良するだけです。
しかし、それでは現状の延長線上でしかなく、限界がすぐにきます。
一方、「10倍にする」と決めると、考え方が一変します。
このように、「10倍」という目標が、仕組みそのものの革新を促すのです。
2倍アップを目指すと、「今の努力をもっと頑張る」という発想になります。
しかし、10倍を目指すと、「このやり方では到底10倍にならない」と気づき、
自然とムダな業務・非効率な仕組みを見直すようになります。
たとえば、
10倍目標は、会社の生産性を根本から高める視点を与えてくれます。
2倍の目標は「達成できそうか」で判断されます。
10倍の目標は「どうすればできるか」で考え始めます。
この違いこそが、経営者の思考を広げる最大の効果です。
「10倍」という数字が非現実的に見えても、
そこから生まれる発想や気づきが、結果として
会社を3倍、5倍に伸ばす力を生むのです。
数字を扱う私たち税理士の仕事は、単に決算をまとめることではありません。
経営者が数字を使って「発想を拡大する」サポートをすることです。
2倍の目標では、損益計算書を見ながら費用削減の話が中心になります。
10倍の目標では、事業構造・資金戦略・人材配置・時間投資といった
経営全体を見直す話になります。
数字を「守り」に使うか、「攻め」に使うか。
ここに、成長企業と停滞企業の分かれ道があります。
以下の書籍は、「10倍発想」を深く理解する上でおすすめです。
どれも共通して、「現状を少し良くする」のではなく、
「別次元の発想に切り替える」ことの大切さを教えてくれる内容です。
| 視点 | 2倍発想 | 10倍発想 |
|---|---|---|
| 思考の方向 | 現状の延長 | 仕組みの変革 |
| 行動 | 改善・努力 | 再設計・集中 |
| 成果 | 短期的 | 構造的・長期的 |
「2倍より10倍の方が簡単」という言葉は、
“簡単”というより“シンプル”なのです。
目標を10倍にすると、やるべきことが明確になり、やらなくていいことが浮かび上がる。
それが、経営を軽くし、成長を加速させる最大の効果です。
目標設定は「できそうか」ではなく、「ワクワクするか」で決めてみてください。
経営は「数字との対話」です。
10倍の目標が、御社の未来の可能性を引き出すきっかけになるかもしれません。