経営

2倍より10倍の方が簡単?その理由とは

こんにちは。税理士の 清水です。
「売上を2倍にするのも大変なのに、10倍なんて無理だ」と感じる方が多いかもしれません。
しかし実は、『2倍より10倍の方が簡単』 という考え方があります。
これは単なるスローガンではなく、経営の本質を突いた発想なのです。


1️⃣「2倍」発想は現状延長、「10倍」発想は仕組みを変える

「売上を2倍にしよう」と考えると、多くの経営者はこう動きます。

  • 営業を少し強化する
  • 広告や販促を増やす
  • 経費を少し削る

つまり、今のやり方を少し改良するだけです。
しかし、それでは現状の延長線上でしかなく、限界がすぐにきます。

一方、「10倍にする」と決めると、考え方が一変します。

  • 根本からビジネスモデルを見直す
  • 「誰に」「何を」「どう届けるか」を再設計する
  • 人と時間の使い方を抜本的に変える

このように、「10倍」という目標が、仕組みそのものの革新を促すのです。


2️⃣「10倍」発想はムダを見抜く

2倍アップを目指すと、「今の努力をもっと頑張る」という発想になります。
しかし、10倍を目指すと、「このやり方では到底10倍にならない」と気づき、
自然とムダな業務・非効率な仕組みを見直すようになります。

たとえば、

  • 手作業で行っている経理処理を自動化する
  • 利益率の低い取引をやめ、高付加価値型へ集中する
  • 社長がやる必要のない仕事をスタッフに任せる

10倍目標は、会社の生産性を根本から高める視点を与えてくれます。


3️⃣数字は「考え方の深さ」を映す鏡

2倍の目標は「達成できそうか」で判断されます。
10倍の目標は「どうすればできるか」で考え始めます。
この違いこそが、経営者の思考を広げる最大の効果です。

「10倍」という数字が非現実的に見えても、
そこから生まれる発想や気づきが、結果として
会社を3倍、5倍に伸ばす力を生むのです。


4️⃣税理士としての視点

数字を扱う私たち税理士の仕事は、単に決算をまとめることではありません。
経営者が数字を使って「発想を拡大する」サポートをすることです。

2倍の目標では、損益計算書を見ながら費用削減の話が中心になります。
10倍の目標では、事業構造・資金戦略・人材配置・時間投資といった
経営全体を見直す話になります。

数字を「守り」に使うか、「攻め」に使うか。
ここに、成長企業と停滞企業の分かれ道があります。


📚参考になる本

以下の書籍は、「10倍発想」を深く理解する上でおすすめです。

  • 『10X Is Easier Than 2X』(Dan Sullivan & Benjamin Hardy)
  • 『The 10X Rule』(Grant Cardone)
  • 『10x 同じ時間で10倍の成果を出す仕組み』(伊藤 羊一)

どれも共通して、「現状を少し良くする」のではなく、
「別次元の発想に切り替える」ことの大切さを教えてくれる内容です。


✨まとめ

視点2倍発想10倍発想
思考の方向現状の延長仕組みの変革
行動改善・努力再設計・集中
成果短期的構造的・長期的

「2倍より10倍の方が簡単」という言葉は、
“簡単”というより“シンプル”なのです。

目標を10倍にすると、やるべきことが明確になり、やらなくていいことが浮かび上がる。
それが、経営を軽くし、成長を加速させる最大の効果です。


💬最後に

目標設定は「できそうか」ではなく、「ワクワクするか」で決めてみてください。
経営は「数字との対話」です。
10倍の目標が、御社の未来の可能性を引き出すきっかけになるかもしれません。

清水 健

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清水 健