税理士法人清水会計 in 姫路・奈良

S61:消費税が免税になるのは売上がいくらまでですか?

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消費税には免税点が設けられています。会社の場合は前々期の課税売上が1,000万円以下、個人事業の場合は前々年の課税売上が1,000万円以下の事業者は消費税が免除されます。

ここで注意すべきは前々年というキーワードです。これを基準期間といいます。

つまり今年度初めて課税売上1,000万円超えたら、再来年度から消費税がかかります。

「1,000万円超えたら今年からかかると思ってました」という人は勘違いです。今期から消費税がかかるわけではないので注意が必要です。

ただし、単純にそうはいかないケースもありますので、より詳しく解説していきます。

消費税が課税される年度の基本的な考え方

(設例1)A会社(個人と合わせるため12月決算とします)

事業年度課税売上高消費税(課・非)キーワード
R2.1.1~R2.12.31800万円免税事業者
R3.1.1~R3.12.311,900万円免税事業者基準期間
R4.1.1~R4.12.312,200万円免税事業者
R5.1.1~R5.12.312,500万円課税事業者

R3年度で初めて課税売上が1,000万円を超えたと仮定します。この場合、R3年度が基準年度となって、R5年度から消費税を納めることになる「課税事業者」になります。

1,000万円について重要な注意点があります。

免税事業者の場合、今まで消費税を納めたことがないので1,000万円は税込み金額で判断します。

理由はともかく税込み金額であるというのは覚えておいてください。

基準期間は課税事業者になるかならないかの判断をする年度です。消費税額を計算する年度ではありません。

しかし、課税事業者が決まる基準はこれだけではありません。

消費税が課税される年度の追加要件

(設例2)R3年の課税売上を1月から6月が1,200万円と7月から12月が700万円に分けます。

事業年度課税売上高消費税(課・非)キーワード
R2.1.1~R2.12.31800万円免税事業者
R3.1.1~R3.6.301,200万円免税事業者特定期間
R3.7.1~R3.12.31700万円免税事業者
R4.1.1~R4.12.312,200万円課税事業者
R5.1.1~R5.12.312,500万円課税事業者

もし、R3年度の期首から6ヵ月間「特定期間といいます」の課税売上が1,000万円を超えていたら、基準期間の考え方に代わって、R4年度から課税事業者になります。

逆に、上期700万円、下期1,200万円ならば、特定期間は700万円となり、R4年度は免税事業者です。

ただし、課税売上の代わりに給与等(給与・賞与)の支払額(未払は含まず)で判断することもできます。

よって、特定期間において課税売上と給与等のどちらもが1,000万円を超えていたら、翌年から課税事業者になるということです。1年早く消費税を納めることになります。

課税期間との関係

課税期間とは消費税を計算する年度のことをといいます。

基準期間や特定期間はあくまで課税事業者となる時期を決めるだけで、消費税を計算する期間でありません。

設例2でみますと、R4年度で課税事業者となって、その年の課税売上が2,200万円でした。

よって、この2,200万円を基に納めるべき消費税額を計算します。ここでは計算の仕方は省略しますが、「消費税の納税額ってどうやって計算するの?」で解説していますので参考にしてください。

決して、特定期間の1,200万円を使ったりしませんので注意してください。

仮に、R4年の課税売上が900万円だとしても、消費税は課税されます。900万円を基に計算をします。

「じゃあ、新設法人の場合はどうなるの?」と思う方もいらっしゃると思います。

新設法人場合の基準期間と特定期間について

簡単に触れておきます。

新設法人の場合、設立1期目、2期目は基準期間がないので消費税は免除されます。

ただし、資本金や出資金が1,000万円以上や特定新規設立法人は1期目から消費税は免除されません。

特定期間については、1期目が8ヵ月以上の場合、期首から6か月間が特定期間になります。特定期間の取り扱いは前述の通りです。

1期目の事業年度が7ヵ月以下の場合、「特定期間が存在しない」となっていますので、2期目に課税事業者となることはありません。

法人設立の際は税務シュミレーションの参考になると思います。

特定新規設立法人と設立年度の特定期間のより詳しい決まりについては参照元を参考にしてください。

(参照元)国税庁HP(№6501納税義務の免除)(特定期間の判定

まとめ

消費税は課税売上が1,000万円を超えるとかかります。ただし、基本は2年後からです。

免税事業者の場合は税込み金額で判断します。

課税事業者の場合は税抜き金額で判断します。

基準期間の他に特定期間という判断基準がありますので、売上が急に伸びてきた会社は注意が必要です。

基準期間と特定期間による判断は課税事業者になるかどうかの基準です。課税売上が1,000万円前後の会社や個人事業者は毎年基準に照らして判断する必要があります。

新設法人や新しく事業開始した個人は2期又は2年は免税されますが、特定期間についてより詳しい説明がありますので、国税庁のHPもチェックしてください。

課税事業者になるかならないかの判断を間違うと申告洩れのペナルティもあったりしますので、判断の基準を間違わないように注意しましょう。