源泉所得税は原則として給与などを支払った翌月10日までに納める必要があります。
但し、例外があります。
源泉所得税は、給与、報酬、利子、配当、使用料等の支払者が支払う際に天引きされた税金をいいます。
天引きすることを源泉徴収とか源泉するとかいいますね。
源泉徴収するには税額表や税率が決まっています。
給与や賞与は月額表や報酬は本体の10.21%などです。詳しくはまた別の機会で。
利子や配当は天引きされて振り込まれて来ますよね。
原則は翌月10日といいました。
要件が整えば、納付は年2回で済みます。
例外について解説します。
①適用できる要件
支給人員が常時10人未満、
10人以上は選択できません。
②納める時期
半年分を年2回納めます。
1月から6月分→7月10日まで
7月から12月分→翌年1月20日(後半分は10日ではないです)
③特例を受けるためにすること
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署へ提出する。
④適用される時期
(例)納期の特例の申請書を提出したのが2月中の場合
給与等 | 納期限 |
2月支給分 | 3月10日 |
3月から6月分 | 7月10日 |
7月から12月分 | 翌1月20日 |
申請書の提出までは毎月10日の納付が必要です。
1、不納付加算税
1日でも遅れたら発生します。結構きついですね。
遅れたけど自主的に納付した場合→源泉所得税の5%
税務署に言われて納付した場合→源泉税の10%
不納付加算税が免除される規定もあります。
①不納付加算税が5,000円未満の場合
②過去1年間納付遅れをしたことがなく、期限から1か月以内に納付した場合
③正当な理由があるとき
2、延滞税
納期限の翌月から2か月経過まで→2.6%(令和2年6月時点)
納期限の2か月を経過した日以後→8.9%(令和2年6月時点)
延滞税は偽りその他不正により国税を免れた場合は遅れた月の期限日から納付時まで丸々かかりますが、悪質ではないと判断されたら1年分になります。
給与支払者は源泉所得税と併せて個人住民税も天引きします。これを特別徴収といいます。
個人住民税を納税者本人が納めるのを普通徴収といいます。
給与に関しての個人住民税は特別徴収の実施が全ての事業者に義務付けられています。(地方税法第321条の4及び各市町村の条例)
個人住民税は前年の所得を基に計算されるので、新入社員の人や昨年の所得がない人は住民税はかかりません。
個人住民税の納付期限も、当月の給与から天引きした分は翌月10日になっています。
源泉所得税の納付は毎月10日が原則です。
但し、申請書を出せば、小規模な事業者は年2回で済みます。
1日でも納付が遅れると罰金があります。
源泉所得税と住民税も納付期限が同じなので、忘れず納めましょう。
源泉所得税は預かったお金です、必ず納付しましょう。
源泉徴収制度は、国が税金を集める手間が省け確実に税収が確保できるし、納税者側(個人納税者)では申告納付という事務から解放される便利な制度といわれています。
アメリカは給与の源泉徴収はありますが、年末調整ではなく確定申告をします。日本は年末調整を会社が行うことで医療費控除などなければ確定申告は不要です。
日本では当たり前の源泉徴収と年末調整の制度のために、自分がいくら所得税や県市民税を払っているかの実感が少ないです。これでは税金に対する意識が下がります。
全国民が確定申告したら税金に対する意識はもっと高まるでしょう。税金の使い道に対してもっときつい目が向けられるでしょう。源泉徴収制度は国の在り方に影響を与えてしまう制度なんですよね。
この国を支える源泉所得税、預りものですので未納付の罰金はきつくなっても仕方ないです。
でもね、本来は、個人が納付すべき税金を支払者が事務代行して納付しているのだから、支払者に委託料があってもいいのなあって思います。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
(参考URL)国税庁タックスアンサー№2505 源泉所得税及び復興特別税の納付期限と納期の特例 、国税庁タックスアンサー№9205 延滞税について 、国税庁HPより【手続き】源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請