✔ 決算日後に臨時で決算賞与を出しても費用にできるでしょうか?
【結論】決算日後に従業員に対する臨時の決算賞与は費用(損金)にできます。
但し、そのためにはクリアすべき3つの要件があります。
これは、決算対策でとても有効な手段ですよね。使わない手はありません。
しかし、これも税法です、使い方を間違うと損金と認められず、税金がかかることになります。
それでは、決算日後に支払う決算賞与を損金処理するための3つの要件と注意点についてやさしく解説していきます。
まずは概要から・・・
決算賞与は、①決算日までの支給するケースと②決算日後に支給するケースの2つが考えられます。
それぞれについて、まとめていきます。
決算日までに支払う従業員の決算賞与は損金処理できます。
決算日前の支給では特に要件はありません。
支給した日に損金処理すればOKです。
支給金額は利益の状況をみながら自由に金額を決めても構いません。
では、役員への決算賞与は損金になるか?
これは、役員(使用人兼務役員を除く)への決算賞与は損金不算入といい利益扱いになります。
なお、使用人兼務役員に対する賞与のうち、使用人部分については損金処理できます。
次に、決算日後に支給する決算賞与についてです。
💡 決算日後に支給する決算賞与は、損金として認められるためにクリアすべき3つの要件があります。
① 期末日までに支給額をすべての従業員に通知していること
② 決算日の翌月から1か月以内に支給が完了していること
③ 決算で未払賞与として損金経理していること
この3つの要件ができていないと、損金処理はできません。
なお、役員賞与に関する決まりは、上記の決算日までに支給する場合と同様です。
✔ 決算賞与の概要は分かりました、では注意すべき点は何ですか?
ズバリ、税務調査で必ずと言っていいぐらいチェックされるからです。
それだけ、要件不備の事例が多いのでしょう。
決算日前に支給した決算賞与は特に注意すべきことはありません。
決算日後に支給した決算賞与は3つの要件について確認作業が入ります。
もし、不備が見つかれば当期の処理は否認され損金不算入となり来期の損金とすることになります。
原則通りの支給日の属する期の損金にするということです。
税務調査で指摘されたくないので、自分たちで証明する書類をきちんと整えておきましょう。
3つの要件に照らし合わせて解説します。
① 従業員への通知は必ず決算日までに各人別に書面で行なうこと
通知の日が決算日を過ぎてしまったらアウトです。
② 支給の日は支給日が明確に分かるようにしておくこと
銀行振り込みがベスト、現金の場合でもよいが、必ず全員から領収書をもらうこと。
③ (借方)賞与 / (貸方)未払費用 の仕訳が損金経理です
申告書に添付の内訳書にも、未払費用の項目に中に「決算賞与」とはっきりと書いておきましょう。
※①は事前準備しておかないと間に合いませんので特に注意してください。
重要な点ですが・・・
決算賞与は未払い処理でも損金にできますが、決算日を過ぎてから出そうと思っても時すでに遅しということです。
従業員への通知が決算日までの要件があるからです。
やはり、原則は決算日までに支給することです。
未払い処理するのは、資金繰りの都合で、やむなく翌月支給にするといったところでしょうか。
その時は、3つの要件と注意点を参考にしていただいて、決算対策に役立ててください。
参考URL:国税庁タックスアンサー No.5350 使用人賞与の損金算入時期