夫婦共働きが一般的なご時世です。
夫婦の収入でマンションを買って「マンションを夫婦の共有名義にしよう」と思う方も多いはずです。
その際に注意すべきは、負担した金額に応じて持分登記することがポイントです。
では、なぜ支出割合に応じた持分登記が必要なのかという解説と、
共有持分のメリット・デメリットも解説しておきますので、
最後まで読んでいただくとより深く共有名義について理解していただけると思います。
負担した金額と所有権の持分登記の割合が異なると贈与が発生します。
例えば、総額3,000万円の住宅を購入し、夫が2,000万円、妻が1,000万円の資金負担をしました。
このときの、所有権の登記は夫と妻それぞれの持分を2分の1としたとします。
この場合、妻の所有権は登記持分の2分の1ですから、3,000万円の2分の1の1,500万円となります。
しかし、購入のための資金は1,000万円しか負担していませんから、
差額の500万円については夫から妻へ贈与があったことになります。
この場合、資金の負担割合に応じて夫3分の2、妻3分の1の所有権登記がなされていれば、
贈与税の問題は生じません。
(引用)No.4411 共働きの夫婦が住宅を買ったとき|国税庁
良かれと思ってやってしまうと思わぬところで税金がかかってしまいます。
単独名義と比べてのメリット・デメリットを上げていく中で気を付ける点をみていきましょう。
① 住宅ローン控除が夫婦それぞれで受けることができます。
住宅ローン控除は年末借入金残高等の1%(40万円限度)を10年~13年受けられる制度です。
② 売却した時、3,000万円の特別控除(居住用財産の売却による特別控除)を二人で受けられる。
居住用財産を売却したときは、所有期間の長短に関係なく売却益から3,000万円控除できます。
ふたりならば最大6,000万円控除できます。
③ 相続の時に相手の持分だけが相続財産になる。
不動産の全部が相続財産になるよりも、相手持分だけが相続財産になるので節税になります。
① 相手の承諾がないと売却できない。
売却するときは所有者全員の承諾が必要です。
夫婦円満なときはいいですが、そうでなくなると売却できないこともでできます。
② 返済途中で相手が仕事を辞めたら面倒になる。
ローン返済ができなくなって、相手方が負担すると贈与になります。
毎年110万円までは非課税ですので、範囲内であれば贈与税の問題なないです。
しかし、名義は相手のままです。
持分を変更しようとすると手続き費用がかかって面倒です。
本当は単独名義にしたいけど、仕方なく資金的な理由で共有名義にするということであれば、
負担割合に応じて持分登記をするように注意してください。
メリットとして上げているのは夫婦が円満なことが前提です。
しかし、夫婦の財布が別の家庭ではメリットではないかも分かりません。
デメリットで上げているのは円満でない状況で起こりうるようなことです。
少し踏み込んで書きましたが、考え方は本当にいろいろあると思います。
共有名義にしたら、このようなメリット・デメリットがあるんだ
ということについて気をつけてもらえたらと思います。