税理士法人 清水会計

新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い(法人税関係)

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令和2年3月に国税庁から出された税務上の取扱いをまとめたFAQで令和2年5月15日最終更新のものが資料として出ましたので、その中で気になるものをピックアップして紹介していきたいと思います。

目次

企業がマスクを取引先に等に無償提供した場合の取り扱い

会社が行うマスクの無償提供が、新型コロナウイルス感染症に関する対応として、緊急かつ感染症の流行が終息するまでの間に行われるものであり、次の条件を満たすものであれば、会社の事業遂行上、必要な経費と考えられるので、提供に要する費用の額は、寄附金以外の費用に該当します。

①提供を行う取引先において、マスクの不足が生じていることにより業務の遂行上、著しい支障が生じている、又は今後生じるおそれがあること

②その取引先等が業務を維持できない場合においては、会社において操業の維持ができない、営業に支障が生じる、仕入れ等が困難になるといった、会社の業務に直接または間接的な影響が生じること

なお、提供先で無償提供したマスクが転売されているといった事実がある場合には、会社の事業遂行上、必要な経費と認められないので、その提供に要する費用は、税務上、寄附金に該当します。

業績が悪化した場合に行う役員報酬の減額

法人税の取り扱いでは、年度の途中で役員報酬を減額した場合、定期同額給与にならず、損金算入が認められない場合があります。しかし、新型コロナウイルスにより、予定していた収入がなくなり、家賃や給料の支払いも困難な状況であるような場合には、役員報酬の減額は、業績悪化改訂事由による改訂に該当するものであります。

よって、改定前で定額支給していた役員報酬と改定後に定額で支給する役員報酬は、それぞれ定期同額給与に該当し、損金算入できます。

法人税の取扱いにおける「業績悪化改訂事由」とは、経営状況が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があることをいい、取引銀行や株主との関係からもやむを得ず役員給与を減額しなければならない状況にあることをいいます。

(参考)法人税基本通達9−2ー13

まとめ

今回はFAQのごく一部だけ紹介しました。法人税に関するものだけを取り上げましたが、所得税やその他の税目に関してもいくつか掲載されています。参考URLを貼っておきます。またチェックしてみてください。

(参考URL) 国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ  https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/faq.pdf 

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