契約書や領収書に収入印紙を貼るとき、いくら貼ればいいか迷う時ありますよね。
特に税抜き金額と税込み金額で収入印紙の額が違う時は「これってどっちなん?」と本当に困ります。
このように印紙税は消費税が大きく影響しますので、詳しく解説しておきます。
最後まで見ていただくと、判断のコツが理解できると思います。
消費税と課税文書の関係
収入印紙を貼るべき書類を課税文書といいます。
印紙税では、課税文書を作るとき、消費税が区分記載されているとき又は、
税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、消費税の金額が明らかとなる場合は、
消費税は印紙税の記載金額に含めないことになっています。
この取扱いの対象となる課税文書
1、不動産の譲渡等に関する契約書(第1号文書)
2、請負に関する契約書(第2号文書)
3、金銭又は有価証券の受取書(第17号文書)
不動産売買や工事の契約書、領収書になりますね。
判断の基準となる具体例
印紙税の金額の基準となる金額を「記載金額」といいます。これキーワードです。
番号 | 設例 | 記載金額の決定 | 解説 |
---|---|---|---|
1 | 請負金額1,100万円のうち消費税額100万円 | 1,000万円 | 消費税が区分記載されている |
2 | 請負金額1,100万円及び税抜価額1,000万円 | 1,000万円 | 税込金額と税抜価額の両方が記載あり |
3 | 請負金額1,100万円うち消費税10%含む | 1,100万円 | 消費税額を区分記載したり、明らかとは言えない |
4 | 請負金額1,100万円(税込) | 1,100万円 | 消費税額を区分記載したり、明らかとは言えない |
5 | 商品代48,000円、消費税4,800円、合計52,800円の領収書 | 48,000円 | 消費税が区分記載されている |
番号3、4についても、消費税の金額は計算できますから「記載金額」は1,000万円になりそうですが、
税務署の取扱いでは1,100万円になりますので、間違わないようにしましょう。
ちなみに本則で1,000万円なら印紙税1万円、1,100万円なら印紙税2万円になります。
この差、大きいですよね。
番号5は50,000円未満の領収書ですので非課税になります。印紙は貼らなくていいです。
印紙税の一覧表はこちらになりますので、参考にしてください。
(引用):第1号から4号文書、第5号から20号文書
ただし、第1号、2号文書は令和4年3月31日までの間は軽減措置がありますのでこちらを参照してください。
まとめ
印紙税は、消費税を区分記載すれば、税抜金額を基に印紙を貼ればいいことが分かりました。
逆に、消費税10%を含むとか○○円(税込)という表現では、消費税を区分記載したもしくは消費税が明らかになったとは言えないという税務署の解釈ですので、それに沿って印紙を貼らなければなりません。
契約書の表示の仕方で印紙税の金額が変わるという税金ですが、決まりさえきちんと押さえておけば余分な支出は回避できます。
要するに、契約書や領収書には、消費税の金額をはっきりと書きましょうということですね。
(参考):国税庁№7124