税理士法人 清水会計

中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却及び税額控除について

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    中小企業者が令和3年3月31日までに機械等を取得した場合、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除をすることができます。租税特別措置法第42条の6(平成31年4月1日現在法令等)

    ただし、要件がたくさんありますので、順番に解説していきます。

    適用対象法人


    青色申告書を提出している法人で次の法人です。

    中小企業者又は農業協同組合等で資本金要件があります。

    特別償却税額控除
    資本金又は出資金 1億円以下 資本金又は出資金 3,000万円以下

    なお、資本金が1億円以下の法人でも

    直近3年間の事業年度の所得金額の年平均が15億円超の法人や

    大会社の子会社は除かれます。

    詳しくは>>>国税庁№5433

    適用対象年度


    指定期間内に資産を取得又は製作し、指定事業の用に供した場合における、

    事業の用に供した日を含む事業年度です。

    ただし、解散の日を含む事業年度や清算中の各事業年度は除きます。

    適用対象資産


    この制度の対象となる資産は「新品」に限ります。中古資産は適用できません。

    科目別には以下の通りです。

    番号科目要件
    1機械及び装置1台又は1基の取得価額が160万円以上
    2工具製品の品質管理の向上等に資する測定工具又は検査工具で、1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの
    3工具2に準ずるものとして、取得価額の合計が120万円以上のもの(1台又は1基の取得価額が30万円未満であるものは除く)
    4ソフトウェアイ、一のソフトウェアの取得価額が70万円以上のもの
    ロ、その事業年度において事業の用に供したソフトウェアの取得価額の合計額が70万円以上のもの
    ただし、複写して販売するための原本、開発研究用のもの又はサーバー用のオペレーティングシステムのうち一定のものは除きます
    5車両運搬具貨物の運送の用に供されるもののうち、車両総重量が3.5t以上のもの
    6船舶内航海運業に供される船舶

    指定事業


    この制度を適用できる事業は、

    製造業、建設業、運送業、小売業、サービス業、等です。

    不動産業、物品賃貸業(駐車場業を除く)、娯楽業(映画業を除く)等は対象になりません。

    性風俗関連特殊営業に該当する事業も対象になりません。

    指定事業の詳しくは>>>国税庁№5433

    特別償却限度額


    特別償却とは、普通償却限度額にプラスしてその年の減価償却額として計上できる制度です。

    特別償却限度額は基準取得価額×30%

    基準取得価額とは、船舶は取得価額の75%、それ以外は100%です。

    税額控除限度額


    税額控除は、法人税の納付額から直接差し引くことができる制度です。

    税額控除限度額は基準取得価額×7%

    ただし、税額控除限度額の計算額が、当事業年度の法人税額の20%を超える場合は、20%が限度になります。

    特別償却限度や税額控除限度が余る場合


    特別償却限度額や税額控除限度額が全部使いきれなかった場合、翌年に1年間だけ繰り越すことができます。

    注意事項


    ・ひとつの資産に特別償却と税額控除の併用はできません。

    ・特別償却または税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法の圧縮記帳や、その他の制度での特別償却や税額控除との重複適用は認められません。

    ・特別償却及び税額控除を受けるためには、確定申告書にそれぞれ必要な明細書を添付する必要があります。

    まとめ


    設備投資をする際には、

    特別償却と税額控除の適用要件をチェックしておいてください。

    特別償却や税額控除をするかしないかは会社の任意です。

    控除しきれない分は来年に繰越できます。

    今年と来年の損益状況をみながら対策することができます。

    参照URL 国税庁No.5433

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