個人の所得税申告の仕方には、青色申告と白色申告の2つがあります。
なぜ青色申告というのか、これは以前、青色の申告用紙で申告をしていたからです。
今は、紙の申告書も同じ様式(色)ですが、慣例的に呼び名は残っています。
青色申告制度は昭和24年(1949年)8月のシャウプ勧告に基づいて導入された制度で、当時日本人の好きな色が青ということで、青色申告になったと言われています。
日本の税制はアメリカの影響を大きく受けているんですよね。
歴史はこれくらいにして、まずは概要からみていきましょう。
目次
青色申告制度の概要
我が国の所得税は、納税者が自ら税法に従って所得金額と税額を正しく計算し納税するという申告納税制度を採っています。
1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告するためには、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、また、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存しておく必要があります。
一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人については、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられるというのが青色申告の制度です。有利な取り扱いはこちらを参照してください。
青色申告をすることができる人は、不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。
青色申告の申請手続き
(1) 原則
新たに青色申告の申請をする人は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。
(2) 新規開業した場合(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合)
業務を開始した日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。
(3) 相続により業務を承継した場合
その年の1月16日以後に業務を承継した場合は、業務を承継した日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。
しかし、青色申告をしていた被相続人の業務を承継した場合は、被相続人の死亡による準確定申告書の提出期限である相続の開始を知った日の翌日から4か月以内(ただし、その期限が青色申告の承認があったとみなされる日後に到来するときは、その日)までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。
上記を表にすると次のようになります。
区分 | 青色申告承認申請書の提出期限 | |
---|---|---|
(1) | 原則 | 青色申告の承認を受けようとする年の3月15日 |
(2) | 新規開業した場合(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合) | 業務を開始した日から2か月以内 |
(3) | 被相続人が白色申告者の場合(その年の1月16日以後に業務を承継した場合) | 業務を承継した日から2か月以内 |
(4) | 被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の1月1日から8月31日) | 死亡の日から4か月以内 |
(5) | 被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の9月1日から10月31日) | その年12月31日 |
(6) | 被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の11月1日から12月31日) | 翌年2月15日 |
(4) 廃業等により青色申告を取りやめる場合
事業の廃止などにより青色申告書による所得税の申告を取りやめる場合は、取りやめようとする年の翌年3月15日までに「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を納税地の所轄税務署長に提出してください。
青色申告者の帳簿書類とその保存
青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記によることが原則ですが、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいことになっています。
これらの帳簿及び書類などは、原則として7年間保存することとされていますが、書類によっては5年間でよいものもあります。
5年間の保存でよい書類には、例えば、請求書、見積書、納品書、送り状などがあります。
(引用:国税庁HP№2070)
まとめ
青色申告は不動産所得、事業所得、山林所得のある人であるので、給与所得、雑所得だけの人は採用できません。
青色申告に申請にはそれぞれ期限があります。十分注意しましょう。
帳簿類は原則7年間保存の義務があります。税務調査で調べられるのは最長7年です。
きちんと帳簿をつけていないと青色申告の取消しもあります。
有利な特典を受けるためには、やるべきことはきちんとやりましょう。