税理士法人 清水会計

海外渡航費の法人税・所得税について

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海外渡航が業務上必要でありかつ、旅費として通常認められる部分は旅費交通費として処理できます。

もし、業務に関係ないまたは、通常よりも多い金額については、役員や従業員の給与となります。

以下、海外渡航費について詳しくみていきます。

目次

海外渡航費の処理の概要

要件税務の取り扱い
業務上必要かつ通常認められる額(法人)旅費交通費
(個人)課税なし
業務外または通常認められる額を超える部分(法人)役員賞与または給与(※)
(個人)給与課税

対象者が役員の場合は役員賞与、従業員の場合は給与となります。

業務上必要と認められない場合とは

法人の業務上必要かどうかは、

① 旅行の目的

② 旅行先

③ 旅行経路

④ 旅行期間

を総合勘案して実質的に判断していきます。

しかし、以下のような場合は業務上必要とはいえません。

(1)観光渡航の許可を得て行く旅行

(2)旅行あっせんを行う者等が行う団体旅行に応募して行く旅行

(3)同業者団体(ロータリークラブなど)が主催して行う団体旅行で主として観光目的のもの

業務上必要な旅行で観光がセットになっている場合

旅費の按分計算について

旅行の工程の中で、業務上必要な部分とそうでない部分を損金算入割合で按分します。

項目税務の取り扱い
業務に係る期間に相当する額(法人)旅費交通費
(個人)課税なし
観光に係る期間に相当する額(法人)役員賞与または給与
(個人)給与課税

業務従事割合の計算方法と損金算入割合

(算式)業務従事割合

業務の日数÷(業務の日数+観光の日数)

損金算入割合とは、事業従事割合を10%単位で区分したもの

10%未満の数字は四捨五入する

日数について

視察等業務に係る日数に含まれるもの

イ 工場、店舗等の視察、見学又は訪問

ロ 展示会、見本市等への参加又は見学

ハ 市場、流通機構等の調査研究等

ニ 国際会議への出席

ホ 海外セミナーへの参加

ヘ 同業者団体又は関係官庁等の訪問、懇談

観光の日数に含まれるもの

イ 自由行動時間での私的な外出

ロ 観光に附随して行った簡易な見学、儀礼的な訪問

ハ ロータリークラブ等その他これに準ずる会議で、私的地位に基づいて出席したもの

おわりに

特に役員の方は海外渡航費について注意してください。

役員で給与となるというのは、役員賞与になるということです。

役員賞与は法人税では損金不算入です。

個人課税される上に、法人でも利益扱いになるということです。

参考URL:海外渡航費の取り扱いについて(法令解釈通達)

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