税理士法人 清水会計

費用処理できる減価償却資産の判定について

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少額であるか又は、使用可能期間が1年未満の減価償却資産は、事業の用に供した年度の費用(損金)として処理できます。

では、詳しくみていきます。

目次

減価償却資産とは

法人税法において、固定資産とは、棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産で、次のようなものをいいます。

固定資産1、土地(土地の上に存する権利を含む)
2、減価償却資産
3、電話加入権
4、これらに準ずる資産

(法人税法第2条22項、同施行令第12条)

さらに減価償却資産は以下のようになります。

減価償却資産1、有形減価償却資産(建物、構築物、機械装置、工具器具備品など)
2、無形減価償却資産(ソフトウェア、特許権、営業権、水道施設利用権など)
3、生物(観賞用、興行用生物は有形減価償却資産に含まれます)

(法人税法第2条23項、同施行令第13条)

費用(損金)処理できる減価償却資産

以下の2つのケースで費用(損金)処理できます。

取得価額が10万円未満のもの

この取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。

機能する単位ともいいます。

例えば、

応接セットは通常テーブルと椅子がセットで1組となります。

カーテンは1枚で機能するのではなく、ひとつの部屋で機能します。よって、1部屋ごとに判定します。

取引される1単位、機能する1単位で取得価額10万円で判定します。

(法基通7-1-11)

なお、

判断の基準となる取得価額10万円の金額は消費税の経理方式によります。

消費税の経理方式判定
税抜経理税抜き10万円
税込経理税込み10万円

例えば、

パソコン104,500円(税抜95,000円)を購入した場合

会社が税抜経理方式であれば、

費用(損金)処理できます。

しかし、会社が税込経理方式であれば10万円を超えていますので、

費用(損金)処理できません。

使用可能期間が1年未満のもの

具体的には

1、法人の営む業種において、一般的に消耗性のものと認識されているもの

2、法人のおおむね過去3年間の平均的な使用状況、補充状況などからみて、

その使用期間が1年未満であるものをいいます。

(法基通7-1-12)

例えば、

テレビ放映用のCMのフィルムは通常、資産計上し、法定耐用年数は2年で減価償却しますが、

テレビ放映期間は1年未満が一般的です。

このように放送業界においては一般的なことですので、フィルムは資産計上するのではなく、

費用(損金)処理できます。

まとめ

上記のように減価償却資産が、少額または使用可能1年未満の場合、費用(損金)処理できます。

最後に注意すべき点が2つあります。

①損金経理をしておくこと。

つまり、決算書で費用として処理しておかないと認められません。

②事業の用に供しておくこと。

つまり、使用していないと、資産計上して、来年度以降使用した年の費用となります。

参考URL:国税庁タックスアンサー№5403 少額の減価償却資産になるかの判定

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