税理士法人 清水会計

【譲渡所得】相続した財産を売った場合の特例

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    ✔ 相続した土地を売ろうと思いますが、所得税の特例はありますか?

    相続税を納めている場合、申告期限から3年以内(被相続人の死亡の日から3年10ヵ月以内)に相続財産を売った場合は、所得税の計算の特例があります。

    内容は、一定の相続税分が売った財産の譲渡所得の計算上、取得費に加算されるということです。

    それでは加算される相続税の特例について具体的に話を進めていきます。

    まずは、譲渡所得の計算からみていきます。

    譲渡所得の計算

    一般的には、譲渡所得の金額=収入額-財産の取得費-譲渡費用-特別控除額 ですが、

    相続財産を相続期限から3年以内に売却した場合は、以下のように変わります。

    譲渡所得の金額=収入額-(財産の取得費+加算される相続税額)-譲渡費用-特別控除額

    一定の相続税額だけ譲渡所得が抑えられます。

    加算される相続税の計算はどのようにしますか?

    加算される相続税額の計算式

    計算式

    一定の相続税額=A×B/(C+D)

    A:その人の相続税額

    B:その人が譲渡した財産の相続時の課税価格

    C:その人が相続した全財産の相続時の課税価格

    D:その人の控除した債務額

    注意事項

    1、特例計算適用後、何らかの理由で元となる相続税の金額が減少した場合は、一定の相続税額が減少するので所得税の追加納付(修正申告)が必要です。

    2、この特例は、みなし譲渡課税(法人への贈与など)や国外転出時課税が行われている場合には適用されません。

    加算される相続税の計算例

    (設例)

    1、相続税申告の状況

    平成30年9月15日死亡(相続税の申告期限は令和1年7月15日)

    相続財産が現預金1億円、土地1億円(被相続人の土地の取得費は8,000万)

    納付した相続税は4,860万円

    2、土地を1.5億円で令和2年9月15日に売却した、譲渡費用は500万円だった。

    ①加算される相続税の計算

    相続税の申告期限のため、相続税の加算の特例を使える

    加算される相続税額は

    4,860万円×10,000/20,000=2,430万円となる。

    ②譲渡所得の計算

    譲渡所得は、

    15,000万円-(8,000+2,430)-500=4,070万円となる。

    (注)譲渡所得の計算において取得費は相続税の価格ではなくて、被相続人の取得価格になる

    不動産の税額計算はこちらの記事を参照してください。

    ✔ 手続きで注意する点は?

    この特例を受けるための手続き

    この特例は確定申告をすることが必要です。

    確定申告書には以下の明細が必要です。

    1、相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書>>>PDFはこちら

    2、譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物】)や株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書など

    1の表で加算する相続税の計算を行います。

    まとめ

    相続財産を売却する場合は、相続税の申告期限日から3年以内(被相続人の死亡日から3年10カ月以内)であれば、相続税の一部が取得費に加算される特例が受けられます。

    加算される相続税は、売却した財産に相当する相続税です。

    一定の計算式がありますので、記事を参考にしてください。

    所得税のことですので、特定を受けるためには確定申告が必要です。

    参照URL:国税庁タックスアンサー№3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

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